当院で実施している先進医療について
先進医療とは
先進医療とは有効性が期待される高度な医療技術のうち、現時点では公的医療保険の対象になっていないものの、厚生労働省より、保険診療との併用が認められた治療法や技術です。将来的には保険適用を目指し、評価されます。当院では現時点で以下の先進医療が実施可能で、先進医療部分は自費となります。
- タイムラプス胚培養;30,000円(詳しくは別紙パンフレット参照)
受精卵(胚)を一定の間隔で撮影した画像をつなぎ合わせ、動画として観察し、受精から分割の経過をより詳細に解析することのできるシステムです。この培養器は胚を観察するための顕微鏡を内蔵しているため、胚を取り出すことなく観察が可能で、胚へのストレスがかかりません。
<リスク・副作用>
・コストがかかります。
- SEET法;35,000円(詳しくは別紙パンフレット参照)
着床の成立には子宮が胚を受け入れる環境が整っていなければなりません。環境を整えるためには胚が受精から胚盤胞まで成長する過程で伝達物質(シグナル)が必要です。良好胚盤胞(3BB以上)を凍結する際に使用した培養液を予め凍結しておき、良好胚盤胞を凍結融解後に胚移植する2~3日前に融解し、子宮内に培養液を注入し、シグナルを伝達し、着床環境を整えます。
<リスク・副作用>
・コストがかかります。
・採卵時に良好胚ができないと行えません。
- 子宮内膜スクラッチ;10,000円
胚移植を行う前の周期に子宮内膜にわずかに傷をつけることにより、着床率をあげる試みです。傷が修復する際にホルモンやサイトカインという物質により、子宮内膜の着床機能が上昇するといわれています。具体的には胚移植を行う前の周期の高温期に子宮内膜細胞診の器具を用いて子宮内膜を数回擦過して傷をつけます。数分で終わり、一時的に腹痛・出血を認めますが、心配ありません。
<リスク・副作用>
・コストがかかります。
・操作により一時的に腹痛・出血が起こることがあります。
- 子宮内フローラ検査;44,000円(詳しくは別紙パンフレット参照)
子宮内着床環境が良いか、ラクトバチルス菌の比率を調べる検査です。90%以上が正常です。ART反復不成功・流産を繰り返す方・慢性子宮内膜炎疑いの方などが対象です。
<リスク・副作用>
・コストがかかります。
・操作により一時的に腹痛・出血が起こることがあります。
- ERPeak検査;110,000円(詳しくは別紙パンフレット参照)
着床の最適なタイミングを遺伝子レベルで調べる検査です。凍結融解胚盤胞を移植する際、当日の子宮内膜が着床可能な状態にあるかどうかを、前もって凍結胚移植周期を作成し、子宮内膜を採取して調べる検査です。
<リスク・副作用>
・高額なコストがかかります。
・人工周期を作って検査をするため、次の治療開始が約2か月間遅れます。