保険適用についてのお知らせ
令和4年4月から、人工授精・生殖補助医療が保険適用になりました。保険診療は、標準的な治療に対して70％の費用を国が補助する(自己負担は30％)ものです。しかし保険適用には多くの制限(使用可能な薬剤の種類・量が決まっているなど)があり、今まで自費で行ってきたことが全て行えるわけではありません。保険適用を利用するか、自費診療にするか患者さん自身でご判断ください。
保険適用の条件、注意事項については以下の通りです。
- 入籍されている、または事実婚（配偶者なし、同一住所、出生児認知が必須）であることが必要です。そのための※カップルの確認書類の提出が必要です。
- 治療開始時に、治療計画書の作成と、ご本人・パートナーの同意（同席；※リモートでも可）が必要です。※リモートの際にはパートナーの身分証明書類(免許証・保険証など)のコピーを準備し、持参ください。
- 1と２の書類が揃って、初診の翌月以降から、保険での不妊治療が開始となります。
- 保険適用外の薬剤・治療をくみあわせることはできません（混合診療の禁止）。人工授精では、月経が来てから次の月経が来るまでを、体外受精では、採卵計画から採卵⇒胚凍結⇒胚移植⇒妊娠判定までを一つの周期ととらえます。治療終了までは自費診療はできません。期間中は自費でのカウンセリング、薬剤・検査等、一切受けれません。治療計画が決まると、混合診療回避の観点から自費検査の実施が難しくなりますので、当院では、初診からおよそ1～２か月の中で必要な自費検査を終えるよう組んでいきます。
- 保険適用周期中に自費診療周期に変更はできません。
- 人工授精；年齢・実施回数に制限はありません。
- 生殖補助医療；回数は、※年齢・及び胚移植の回数で規定されます。（※別紙）
年齢は治療計画作成日が基準となります。
回数または年齢制限を超えた時点で自費診療となります。
- 他院での治療歴のある方は紹介状が必須です。胚移植回数の正確な確認のためです。
- 採卵計画から採卵 ⇒ 胚凍結 ⇒ 胚移植 ⇒ 妊娠判定までを一つの周期としますので、採卵を繰り返し行い、凍結胚をためていくこと(貯胚)はできません。凍結胚を使い切らないと、次の採卵周期に入れません。
- 採卵時の静脈麻酔について
10分未満の採卵に対し、保険では静脈麻酔に対応できません。保険適用で体外受精を行う場合、当院では採卵に10分以上の時間を要することが想定される方（穿刺する卵胞数が多い、卵巣が穿刺困難な位置で、採卵に時間がかかることが予想されるなど）に対してのみ、静脈麻酔を行います。保険適用で採卵を行う際には、希望による静脈麻酔はお受けできなくなります。
- 今までの電話での採卵翌日の受精確認は中止となります。採卵から約1週間後の受診時に受精結果・凍結胚の有無につき結果説明いたします。
※4月以降、診療の混雑が予想されるため、待ち時間の増加が予測されますのでご了承ください。